これらは、本人の判断能力があるうちに、身の回りの手続きや死後の事務を第三者に委託する契約です。特に「おひとりさま」や親族に負担をかけたくない方に利用されています。

1. 生前事務委任契約(財産管理契約)

判断能力はしっかりしているものの、身体的な衰え等により役所の手続きや銀行への外出が困難になった場合に備える契約です。

・委託できる内容:預貯金の管理、生活費の支払い、医療機関や介護施設への入所手続き、行政への届け出など。

・特徴:任意後見と違い、すぐに開始できるのがメリットです。

・注意点:本人の判断能力が低下(認知症など)すると、この契約だけでは不十分になるため、通常は「任意後見契約」とセットで締結します。

2. 死後事務委任契約

本人が亡くなった直後に発生する膨大な事務作業を委託する契約です。通常、委任契約は本人の死亡で終了しますが、この契約は「死後も終了しない」特約を設けて効力を持たせます。

委託できる内容:

・親族・知人への死亡連絡

・葬儀・火葬・納骨の手続き(永代供養の依頼など)

・遺品整理、賃貸物件の解約・明け渡し

・医療費や施設利用料の未払い清算

・デジタル遺品(SNS等)のアカウント削除

できないこと:預貯金の相続(分配)は「遺言」の役割であるため、この契約では行えません。

3. 利用のポイント

・契約方法:内容を明確にし、トラブルを防ぐために公証役場で公正証書として作成するのが一般的です。

・費用:受任者が専門家の場合、死後事務の報酬として数十万円〜、さらに葬儀費用などの「預託金」を事前に預けるケースが多く、トータルで50万〜200万円程度が目安となります。

・受任者:信頼できる知人のほか、司法書士や行政書士、弁護士、または専門のNPO法人などが引き受けます。

現在、特に気になっている「将来の不安(体調面、あるいは亡くなった後のことなど)」はありますか? 優先度の高い契約の組み合わせを整理するお手伝いができます。