今回は成年後見制度利用の具体的に相談事例ついてお話したいと思います。

まずは相談事例の1つ目として、「親が認知症で、預金や施設契約をどうしたらいいのか」についてです。

状況としては「親御さんの判断能力が まだ残っているか/かなり低下しているか」で、取れる手段がガラッと変わります。ここでは実務的に“失敗しにくい順”で整理します。

1) まずやること:判断能力の目安を確認

会話で意思が一貫している/契約内容(費用・解約・保証人など)を理解できる

 → まだ「本人手続き」や「事前の代理人設定」が可能なことが多いです。

内容理解が難しい・同意があいまい/日付や金額の把握ができない

 → 「委任状」や“代理人登録”が通らない可能性が高く、「成年後見(法定後見)」を急いだほうが安全です。

2) 預金(銀行口座)を動かす方法:できる順

A. 親御さんが手続きできる段階なら(最優先)

各銀行の「代理人指名」「代理人カード」「委任状」等を整えるのが一番スムーズです。

 ●三井住友銀行は「代理人キャッシュカード/代理人指名手続」で本人以外の出金  が可能、と案内しています(※事前に本人が申込)。

 ●ゆうちょ銀行は「委任状」による払戻し等について案内があります(手続きによって可否あり、本人への確認が入る場合あり)。

 ●三菱UFJ銀行には、認知・判断機能の低下に備えて代理人を指定するサービス(商品・サービス類型)が用意されています。

注意:家族が親のキャッシュカードと暗証番号でATM操作するのは、規約違反になり得て危険です(凍結・トラブルの元)。

B. 親御さんがもう手続きできない(または銀行が難色)

 この場合、基本は 成年後見等の法定後見で「代理権」を作るルートになります。申立て先や申立権者など、家庭裁判所の手引で整理されています。

 補足として、金融庁資料でも「委任状に基づく引き出し」や「社協等の関与」など論点は整理されていますが、実際の可否は金融機関の運用と本人の意思能力の評価に左右されます。

次回は、施設についてご説明したいと思います。